握手

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 「私のファンクラブのメンバーにならない?」と知り合いのAちゃんに言われた。

「私はAちゃんのステージのファンだけどAちゃんのファンではないからダメ」と

恐れ多い返答をしてしまった。

もうちょっと大人の返事の仕方があるとは思うが、

ストレートに表現してしまうのが私の性格だ。


  私はステージに対する欲望は人一倍強い。

しかし、プライベートのお付き合いや、ファンクラブといったものにはほとんど興味ない。

そんな私のことをどう思ったかは分らないが彼女は「そう」と言って話題を変えた。

ちょっとマズかったかなと思ったが仕方ない。


 数日後、再び彼女と会話する機会があった。

彼女のステージに対する私のスタンスを理解してくれていたようだ。

いろいろ話しているうちに、まだ数回しか話したことがない人とは

とうてい思えなくなった。

ステージに対する思いの共通点が多かったからだ。

そのことを彼女に伝えると、ニヤリとしながら、


「ステージを限りなく愛して見るお客と、

  限りなく愛して見せる踊り子との間に芽生えた愛ですね」と

言って右手を差し出した。

私もニヤリとしながら、その手を握り返し「ありがとう」と答えた。


「こんなお客さんにステージを見てもらえる私は幸せ者です。ちょっと緊張するけど・・」

続いて出た彼女のこの言葉は私にとって最高のものだった。嬉しかった。

私のストリップに対する思いがいくらか伝わったような気がする。

もしかしたら私が求めているステージを彼女が見せてくれるかもしれない。

そんな期待を抱かせるほど、握手は力強く爽やかだった。


[舞太郎](1996.10.17)


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