クリスマス・イブの夜、劇場へ行った。すいていた。 本当にすいていて途中でお客がいなくなってしまい、 ショーが中断してしまう程だった。 私もこの日は劇場へ行く予定ではなかった。 近くに用事があってたまたま前を通ったら、 香盤表に大好きなお姐さんの名前があった。 私の性格上、黙って通り過ぎるわけにも行かず、 ちょっとだけ見て、すぐに帰るつもりで入場した。 ところがあまりのお客の少なさから帰るに帰れなくなった。 私がいなくなったら拍手する人もいなくなると思うと帰る気になれない。 フィナーレの時、トリのお姐さんがおっしゃった、 「寂しい皆さん、今夜は最後までお付き合いください」と いった内容の言葉も私を引き止めた。 「ここでこんなに素晴らしいステージを熱演しているのに、 どうして誰も来ないのだろう?」と悲しくなった。 普段この劇場を埋めているおじさん達は、 みんなサンタになっているのだろうか。 私は複雑な気持ちになり心の中でサンタさんにお願いした。 「いつの日か、イブの夜、ドレスアップしたアベックで劇場をいっぱいにしてください」 クリスマス・イブには劇場でストリップショーを見るのが トレンドになる日がきっと来る。きっと・・・。 寂しい劇場につぎつぎとクリスマス・ソングが流れていた。
[舞太郎](1996.12.26)