ときどき「踊り子さんと仲良くなるには?」といった質問を受け、 そのたびに返答に困ってしまう。 聞きたいことはなんとなく推測できるが、 質問自体が漠然としていて何を答えればよいのか考えこんでしまう。 この質問を「踊り子さんと親しそうに話ができる関係をつくるには?」 という風に解釈すれば、 踊り子さんと話をするきっかけをつくる方法ということで、 それぞれの状況に合わせたアドバイスもできる。 しかし、これとてきっかけは作ることができても、 親しくなれるかどうかは踊り子さんとそのご本人次第である。 残酷な言い方をすれば、踊り子さんからみて何らかの魅力が感じられなければ こういう関係は成立たない。 「タンバリンを叩いたり、テープを投げたりして いつも応援してくれる」とか 「手拍子をしてくれる」とか 「プレゼントをくれる」とか「いつも見に来てくれる」とか、 踊り子さんからみて魅力が感じられるお客さんというのは想像がつく。 この『良いお客さん』的行動を周到すればチャンスをつくるのは、 さほど難しいことではない。 しかし、その先の本当の意味での「仲良くする」ということは、 かなり難しいと思う。 “仲良く”という言葉を使うには“踊り子と客”という関係を超えて、 対等な付き合いをするという意味合いを含んでいる。 常連さんの会話のなかで 「○○のことはよーく知ってる。あいつとは仲良しだ」なんて言葉を 耳にするが、もう少し話を聞いてみると、 単なる食事や飲みに行ったりする関係だけの場合が多い。 それもお勘定はこちら持ちで。 これは“仲良し”ではなく“踊り子と客の親しい関係”である。 違う言葉で表現すると“親しい商売関係”ということだ。 踊り子さんからすれば営業行為の要素を含んでいることを忘れてはならない。 このところの勘違いの言動が耳につく。 私自身“仲良しの踊り子さん”なんていない。 良いお客さん的行動もまともにとらないので親しく話をする踊り子さんもあまり多くない。 それでもストリップは十分楽しい。
[舞太郎](1997.01.25)