名刺作成ツアー

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 出張の時にたまたま寄ったスーパーで名刺作成のゲーム機を見つけた。

プリクラと同様、多くの女子高生が並んでいた。

スーツ姿の私は人目を気にしてちょっと迷ったが、

意を決して女子高生に混じって列に加わった。

そしてたくさんの女子高生が見守る中、「舞姫辞典編集長 舞太郎」という名刺を作った。

 これをたまたまある踊り子さんに見せたら騒ぎになってしまった。


 私が作成したゲーム機はバンダイ製のものでサンリオのキャラクターが入るやつだ。

もちろん漢字入力もできる。

多くのゲームコーナーにおいてあるのはセガ製でローマ字入力しかできない。

踊り子さん達も私が作ったサンリオ・キャラクター入り名刺を

初めて目にするようだった。


「わたしも欲しい」一人の踊り子さんが言った。

するとつぎつぎに「わたしも」「わたしも」ということになってしまった。

私が住んでいる長野市周辺にもどこかに同じゲーム機があるだろうと思い、

みんなの名刺作成を引き受けてしまった。


 しかしそれが甘かった。半日探し回ったがどこにも無いのである。私は決断した。

(出張先の例のスーパーまで行こう。)

結局この名刺作成ツアーにはアシスタントの踊り子さんが一人参加することになり、

隊長の私とアシスタントの踊り子さんは両替した数万円分の百円玉を袋に詰め、

踊り子号に乗って高速で目的地へ向かった。


 目的地に着いてからも大変だった。

なにせ1回300円で8枚しか印刷できない。

みなさん100枚単位で注文してくれていたので

想像を絶する時間がかかり、私達は疲れ果てた。

あまりの大量印刷のせいか途中で機械調子が悪くなり管理のおじさんを呼んだ。

私のアシスタントは機械を叩き「なんでできないんだよー!!」と

おじさんに凄み、私もびびった。さすが元ヤンである。


 注文全部はさばききれず、残りは後日私が担当することになった。

帰りの高速を走行中、

アシスタントは助手席でぐったりしてスヤスヤと寝息をたてていた。

さっきの恐い表情とは打って変わってかわいい寝顔だった。


P.S.この数日後、バンダイとセガの合併が発表された。

    これでこんな苦労も減るかもしれない。

[舞太郎](1997.01.26)


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