酔っ払ってステージに立つ踊り子さんをときどき見かける。 不謹慎と思われるかもしれないが彼女たちが悪いのではない。 温泉街の劇場では劇場に出演するだけでなく、 芸者をやったり、ショクナイに行ったりする場合もあるからだ。 ステージに立つ直前までお座敷で日本酒をたらふく飲まされて、 そのまま楽屋に飛び込んでくるなんて場合もある。 こんな時、苦しんでいるご本人たちには申し訳ないが、 見ているお客としてはこれはこれで結構楽しい。 普段ならピーンと張り詰めたステージをやるお姐さんが、 幼稚園のお遊戯みたいなダンスを見せてくれる。 とにかく止めがまったく効かず、あっちにフラフラこっちにフラフラと 正真正銘の酔っ払いの動きなのだ。 ベッドのときなど戻すのではないかと思われるほど苦しそうにのたうちまわる。 これはこれで妖しい雰囲気がある。失礼、ちょっと悪趣味かな? 先日こういう状態のお姐さんにオープンの時、「大丈夫ですか?」と声をかけてみた。 「だーいじょーうっ、ーぶなわけないだろー、うぃー、うっっぷ。 さーーーーきまで、うぃっ、飲んでたんだぞーー」 まったくろれつがまわらず、内容を聞き取るのも困難な程だった。 よくこんな泥酔状態でステージがこなせるものだと、 あらためて彼女たちのプロ意識に驚かされた。
[舞太郎](1997.01.27)