走れ舞太郎2

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 長野はさらに遠い。

 20、21日と仙台ロックでストリップショーを楽しんだ後、

22日いよいよ帰路の日になった。

数日前の週間予報は見事にはずれ、雨。


 舞太郎はどしゃ降りの中ひたすら走った。

対向車が跳ね上げる水飛沫は大波を受けた様な衝撃とともに私を襲う。

ナイロン製の雨具なんてまったく役に立たない。1時間も走るとパンツまで濡れてきた。

(註:勘違いしてないと思うけど、雨で濡れた。)

気温はだんだん下がってきて2℃。このままでは体力の消耗が激しい。


 仕方がないので途中のホームセンターに飛び込み、

工事現場のオジサン達が着ているビニール製の雨具を買った。

厚めの高級使用のもので1980円。

これは重いのとかさばるのが難点だが経験上防水性能はバツグンである。

ついでに手袋も買った。私が雪かきの時愛用しているゴム製の作業手袋だ。

防寒対応のもので厚くて指を曲げるのに握力がいるがこの際少しの不自由は黙認。

これは580円。さっそく着替えて走り出した。


 次は濡れた衣類を乾かしたい。

途中にコインランドリーがないか注意して走ったがあいにく見つからない。

以前、濡れた衣類を乾かすためにコインランドリーの乾燥機を使ったことがある。

とにかく全部脱いで乾燥機にほうり込む。

私は腰のまわりに巻いたタオル一枚で、

乾燥機の前にうずくまって震えながら乾燥機が止まるのを待つ。

知らない人に見つかったら警察を呼ばれてしまう状態である。

今回はあいにく、いや幸いにもコインランドリーがなかった。


 食事をしようと、道の駅、阿賀の里に寄った。

駐車場に入るとき、近道をしようとちょっとした段差を上ったら、

バイクの腹を擦ってしまい、突然エンジンが止まった。 

覗いてみるとサイドスタンドのスプリングを固定している部分がもげてしまい、

サイドスタンドが格納できなくなっていた。

最近のバイクはサイドスタンドが出ると

エンジンが止まるようにできているのでこのままでは走れない。

紐でなんとか固定した。


 トイレに入ると息子が小さくなっていた。もともと小さいけど、

(ここまで小さくならなくてもなぁ)と不憫になった。

(そういえば最近、ここに血液を送ってないなぁ)と、馬鹿なことを考えてしまった。


 新潟県の三条市でついにやってしまった。

右折の途中、前を走っていたお姉さんの車が急に止まり、こけてしまった。

普段なら充分かわせる状況だったが、

体は機敏で微妙なコントロールがもはやできる状態ではなく、

車に当てるくらいならと思い、バイクを倒した。

こちらの損害は右前のウインカーひとつ。まあ、御愛嬌といったところか。


 夕方5時頃、無事?に自宅についた。朝7時に仙台を出発したからちょうど10時間。

走行距離は480km。行きと違うコースを走ったため、若干短くなった。

休憩や食事なんかもとっているし、渋滞あったので、

そこら辺を計算に入れると、とんでもない速度で走ってきたことになる。


 ほとんど寝てない状況でどしゃ降りの中、一般道480kmを10時間。

車では不可能な数字だ。良い子は絶対真似をしないように。


 JRの特急と新幹線を乗り継いでも5時間位かかるのでまずまずの成績である。

劇場行きには最高のツールになりそうだ。

しかし、私がお金持ちだったらこんな野蛮な乗り物には絶対ぜったい乗らない。

[舞太郎](1997.03.23)


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