土曜日(P子の編)

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 予定変更してきた甲斐があった。彼女のステージは格段に良くなっていた。

(なるほどこれを見せたかったのか)と納得した。


 終演後、再び電話をかけた。

「これで帰ろうと思うけど。帰ってもいい?」

さっきの会話を引きずった言葉が出てきてしまう。

「そう、お疲れさま、気をつけて帰って」彼女はあっさりこたえた。

「本当に帰ってもいいの? それじゃあ、○○でご飯食べてから帰るね」

「・・・・・・、私も○○へ行く」

なんなんだ、スムーズな会話ができない。


 ○○に着いて5分ほどしたら彼女が現れた。

二人きりになるとなんか会話が途切れてしまう。

「明るくパッとやろうぜ」と私が提案すると

「じゃあ、P子を呼ぶね」と彼女はP子に電話した。

P子はもうすぐデビュー1年になる変な奴だ。失礼。


 P子は登場するとすぐにおおはしゃぎで、

一度走り出すと誰も彼女を止めることができない。


「この間、ベッドで寝ている体勢から勢いよく起き上がったら、

  かつらがポトリと前に落ちてしまって、スゲー恥かしかった。

  それもさぁ、奇麗に裏返しになったかつらが、ステージに広がっているの。

 それを見たら、笑いが止まんなくなっちゃて、一曲まるまま笑ってた。

  舞台袖に戻ってからも笑いながら苦しんでたら、

  照明のオジサンからインターホンがかかってきて、

  オジサンもヒーヒー笑いながら話してんの。

  あんな恥かしい思いはもう御免。私は二度とステージでかつらは使いません」


 つぎつぎと出てくるこんな話題でおおいに笑わせてもらった。

  踊り子さんの中には、P子のような宴会盛り上げ担当の子が本当に多い。

[舞太郎](1997.04.13)


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