劇場に白い杖を持った一団がやってきた。 特別視するわけではないが場所が場所だけに少し気になってしまった。 付き添いの人の誘導でそれぞれが空いている席へ静かに座った。 私も及ばずながら彼らの着席のお手伝いをした。 車椅子なんかで来られる体の不自由な方の入場は何度も見かけている。 しかし、目の見えない方達の入場は初めて経験した。 はたして楽しんで頂けるのかどうか不安になった。 劇場の従業員でもないのにそんなことを考える必要もないのだろうけど、 ストリップファンとしてストリップショーに対するいろいろな人の評価は、 やはり気になってしまう。 私も目を閉じてみた。 音だけの世界が広がるのかと思ったけど意外にもまず最初に感じたのは香りだった。 踊り子さんの甘い香水の香りが優しく流れてきた。 ベッドの時、神経を集中すると踊り子さんの息づかいまで聞こえたような気がする。 やがてオープンの曲が流れそっと目を開くと、 彼らが楽しそうに手拍子している姿が見えた。 なんだかホッとした。
[舞太郎](1997.04.29)