舞太郎夫人

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 今度の土曜日は会社の仲間と河原でバーベキューをやろうという話になっている。

雨が降って中止になればどこかの劇場へ行くことになるだろう。


 さてさてバーベキューで思い出すことがある。

数年前の話だ。

前日たまたま信州ロックにのっていたAちゃんにオープンの時メモを渡した。

彼女は私にとって少し前からかなり気になる存在になっていた。


「明日、千曲川の河原でバーベキューをやるので、良かったら来ませんか」と

いうような内容だったと思う。


Aちゃんとは、今まで挨拶するぐらいの付き合いしかなかったし、

踊り子さんを誘うのは初めてだったのでもの凄く緊張した。

 答えは「OK!!」ということで、私は舞い上がってしまった。


 翌日早起きしてAちゃんを楽屋まで迎えに行き、

バーベキュー会場の河原に向かった。

河原では既に職場のメンバーとその家族達が集まり準備をしていた。


 私はAちゃんを連れ、上司のところへ行き、「家内です」と紹介した。

調子にのったAちゃんは

「いつも主人がお世話になっています」とにこやかに挨拶した。

会社の同僚達も違和感を感じなかったようだ。

私は結婚した当時と所属が変わり、結婚式の披露宴などに出席した人は

その場にいなかったということもあり、

Aちゃんはその日一日、舞太郎夫人として通してしまった。


 今から思えば一日だけの懐かしい思い出である。

その日以来、Aちゃんとは“腐れ縁”である。


 最近本当に腐ってきた。

[舞太郎](1997.07.23)


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