許せん

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  さっき夕食を買いに閉店間際のスーパーへ行ってきた。

私の狙いはこの時間に値引きされてゆく惣菜コーナーだ。

ラップの上に“○○円引き”とか“半額”といったシールが貼られ、

これを買うことで、

「ストリップ以外のところで節約した」という満足感が得られる。

私はこういう日常的な行いが大切だと思っている。


 まずは“50円引き”のシールが貼られた握り寿司パックを

買い物籠に入れた。

次は“50円引き”のシールが貼られた定価80円の

ナスの天ぷらが目にとまった。

80円  −  50円 = 30円

(これは安い)と思わず手を伸ばしかけたが、

ちょうどその時、新たなシールを貼りながら店員が近づいてきた。

(もっと安くなるぞ)という期待に胸を膨らませながら、

その店員が通りすぎるのを待った。


 しかし、だがしかし、

彼は私の期待を大きく裏切るとんでもないシールを貼ったのである。

“半額”

80円 / 2 = 40円


 予想外に値上がりしてしまったのである。

この悔しさは人には分かってもらえないかもしれない。

だが私は許せない。

「あんたちょっと、それはないよ」って

店員に声をかける勇気もないし、ナスの天ぷらは食べたいし、

結局、10円値上がりした納得のいかないナスの天ぷらを

買ってしまった。


  私のささやかな節約気分をだいなしにされた。

悔しい。

もうあのスーパーには行かない。


[舞太郎](1998.12.13)


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