ピンクルームについてはいろいろ意見があると思う。 常連さんや追っかけさんの間では否定的な意見を聞く。 そういう話の中では反論しないが、本心を言うと私は結構好きである。 踊り子さんの中にも否定的な人が多いのも知っている。 でも、仕事として前向きに取り組んでいる人達もいることを忘れてはならない。 なければないでよいのだがあるから利用したって良いと思う。 いろいろあっていいんじゃないかな。 最初は勝手がわからなくって踊り子さんと会話ができる場所だと思っていた。 初めて入った時、緊張しながら色紙とマジックペンを持ち込み、サインをお願いした。 快くサインをしてくれたあと「さぁ、脱いで」と言われてびっくりした。 こんなふうにして昔は時どき利用していた。 本番まな板ショーでステージに上がったこともある。 ある踊り子さんに 「舞ちゃんにはぜーったい無理だよ。そういうことできるタイプじゃない」って言われて、 本当に無理か試してみた。 私は人が思うほど慎重なタイプではなく、かなりのチャレンジャーでもある。 しかしある時からまな板はもちろん、ピンクルームにも入れなくなった。 劇場で知人が増えたということもあるが、 それよりもある踊り子さんとの会話がきっかけとなった。 電話で話している時「なかなか会えないね」という話題になった。 「開演中はステージの他にもピンクがあるから時間が取れないしね」と彼女は言った。 私はたいした考えもなく、冗談のつもりで、 「じゃぁ、ボクがピンクルームに入ればいいんだ」と言った。 彼女は黙ってしまった。 (なんかまずいこと言っちゃったかなぁ)とこちらも考え込んでしまった。 しばらくの沈黙のあと、彼女は予想外のことを言った。 「お金がもったいないよ。そういうのを無駄遣いって言うのよ」って。 この回答は私がいろいろ考えたケースの中にはなかった。 「舞ちゃん、溜まっているの? わたしで良かったらいつでもしてあげるよ。でもそれってお金払う必要ないの。 ピンクに来たら払ってもらわないわけにもいかないから、 そういうのを無駄遣いっていうの。お金は大切に使わなくっちゃ」 こちらの冗談を彼女はマジに受けて考えてしまったようだ。 一度もこのお言葉に甘える機会はなかったが、 私にとっては本当にありがたいお言葉であった。 「無駄遣いではないですよ。姐さんが相手だったら、 いくら払っても惜しくないですよ」と言うと 「嬉しいこと言ってくれるじゃない。 本当に入ってきたら通常のサービスで帰れると思わないでよ。 押し倒してむちゃくちゃにしてあげる」と言った。 「恐いっす。でも、ますます行ってみたくなったけど・・・・、 でもでも、痛いのだけは勘弁してください」とこたえて、二人で笑った。 この姐さんはもう引退してしまったがこういう会話を繰り返しているうちに、 なかなか入りづらくなってしまった。 たとえ、まったく知らない姐さんが相手でも同じである。
[舞太郎](1998.1.21)