郡山は遠かった。往復800km。私の愛車は125ccのおっさんバイクである。 銀行員御用達の鉄製の大きな黒い箱をリヤキャリアにつけて、 私がまたがったら、あまりにハマリすぎてしまって恐い。 そんな愛車でひたすら郡山を目指した。 気温が低くて寒い。途中足利で給油し、トイレに行った。 行きの400kmの道中で私がバイクから降りたのはこの一回だけだった。 飲まず食わず無休憩の9時間ラン。 数かずの耐久レースで活躍した あの○○○レーシングクラブの元ライダーらしい走りである。 郡山に着いた時には寒さで身体の硬直がはじまっていた。 そのため、予定通り劇場近くのローソンの裏にある銭湯に直行した。 350円の料金を払い、まずはトイレに入った。 用を済ませ、息子をしまおうとした瞬間、右肩が攣った。 あまりの激痛に左手で揉もうとした瞬間、今度は左腕が攣った。 激痛でもがく。しかし、息子はしまえない・・・。 どうせ風呂に入るんだと、そのままの姿で脱衣所に出てきた。 人に気づかれないように、急いで服を脱いだ。 不本意ながらいつも危ない橋を渡らされる。 裸になってふと鏡を見てみると、 胴体以外の部分、顔手足が気味の悪いくらい紫に変色していた。 いそいで、解凍作業に入った。10分ほどで蘇ってきた。 ガソリン代、片道900円弱。 途中の碓氷バイパスの通行料50円を足しても、1000円かかっていない。 長野郡山間1000円弱。思わず「むふふっ」と笑みがもれた。 むちゃくちゃな行動の私を見て、 まわりの人は「バイクに乗ると人が変わる」と言う。 しかし、「若くて奇麗な女の子の前では人が変わる」とか、 「食い物の話になると人が変わる」とかも言われるので、 本当に変わっているかどうかも怪しい。 すべで素の私なのだと思う。 さっぱりした後、目的の劇場へ向かった。 入った時はちょうど有賀美雪さんの3回目のステージの前で、 なかなか効率的な観劇ができた。 出し物は大宮で見た「噴水あたま+サンバ」であった。イイッす。 4回目が終わった後の挨拶にも泣かされた。 この人、普段はどんな人なんだろう? 暖かい気持ちになって、劇場を後にして、ご飯を食べた。 サウナに入って身体を温めてから1時間ほどボーとした。 「さてと・・」 自分自身に気合を入れてバイクにまたがった。 帰りも行きと同じで、一回だけ給油&トイレストップがあったが 夜中のランだったので1時間ほど短縮できて8時間で長野に戻れた。 往復800km、日帰り(日をまたいでいるが途中寝ていない)の バイクでの走行距離にしては我ながらハードである。 もちろん高速も使っていないし・・・。 以前、車で九州日帰り旅行をやったことがあって、2000kmを走った経験がある。 その時よりも今回はきつかった。 でも、良いステージを見れたので心は満足である。
[舞太郎](1998.4.6)