完済

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 昨日は病気入院中の踊り子さんのお見舞いに名古屋に行ってきた。

そのついでに夜、名古屋在住の元踊り子さんとお会いした。

トラブルに巻き込まれ、文無しで寝る場所もない状態だったときにご連絡いただき、

生活基盤確保の援助と自立の為の若干の資金をお貸しした。

住み込みの仕事を見つけてもすぐに解雇されたり、簡単にはいかなかった。

私にとっても荷の重いモノを背負い込んで大変だった。

しかし、ご本人のがんばりもあり、やっと生活基盤もできてきた。

この4月からは施設に預けていたお子さんと同居できるまでになった。

そして今月、お貸ししていたお金もすべて返して頂けた。完済である。

失礼な言い方かもしれないが、お金そのものよりも、

“借りたものは返す”という当たり前のことが

自発的にできたことを本当に嬉しく思った。

こういう当たり前のことができないと、社会で自立するのは無理だから。

 仕事のあと、ベロンベロンに酔っ払いながらも、

託児所から我が子を受け取り、しっかり抱きしめて、

タクシーに乗り込む彼女の後姿に、危うさを感じながらもたくましさを感じた。

 「はやくいい人見つけろよ」と私が言うと、

「無理無理、30過ぎて子持ちのこんな女、だれも貰ってくれない。

 何十万も相談所につぎ込めば紹介してもらえるかもしれないけど、

 それもどーかと思うし・・・」

 ちょっと前まで、“蝶よ花よ”と彼女に群がっていたお客さん達は、

いったいどこに行ってしまったのか? 次の蝶や花に群がっているのか?

なんだかやりきれない気持ちになった。


[舞太郎](2004.06.15)


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