最近ダンスを始めた。 踊り子さんや元踊り子さんと劇場に行く機会が増え、 彼女たちの感想に興味を持ったからだ。 ステージを見る視点が私とは大きく違う。 当然のことだが、所詮私はダンスについては素人だとあらためて認識した。 じゃぁ、自分もやってみようと思い立った。 同レベルになるのは無理としても、彼女たちの目に映っているものを 多少なりとも私も見たいと考えたからだ。 まずは近所のダンススクールに電話で当たってみたが、どうもしっくりこない。 「すみません、ダンスを習いたいのですが・・・」 「そうですか、ご経験は? それとどんなダンスをご希望ですか?」 「経験なし!! HIP HOP!! ダンサー向けの上級者コース希望!!」 「失礼ですがお歳は?」 「41、9月に42になります」 「・・・・まずは、中高年向けの別のコースではだめでしょうか?・・・」 どこもこんなやり取りでいまいち不審がられてしまう。 しかたがないので手っ取り早く踊り子さんに教えてもらうことにした。 いきなり振り付けを依頼したのだが、「基本を覚えてから」と窘められてしまった。 まずは足の裏の使い方。 片足はつま先加重でかかとを抜重、もう片方はかかと加重でつま先を抜重で、 交互に左右非対称に動かす。(なんて名前のステップか知らない) いつの間にか左右いっしょになってしまう。 難しい。 新宿の炎天下の路上で、中年の親父がヨタヨタとステップを習う。 汗だくになってすぐに足がもつれる。 私の頭の中ではダンスの基本は下半身、それも体重移動だという認識はできている。 ただし私の目は、左右の足レベルの体重移動を認識できる解像度だった。 自分自身で、ちょっとやってみてそれが大きく変わった。 同じ右足加重でも、つま先、かかと、内側、外側と、 足の裏の細部への体重移動でステップが構成されている。 30万画素の画像に慣れていた私の目が、 いきなり400万画素のデジカメを手にしたような感覚だ。 こういうのって、自分でやっていないとわからないものだ。 それにしても、最近は暇さえあれば足が動いてしまう。 お昼にコンビニのレジに並んでいて、 知らないうちに足の裏でひょこひょこステップを踏んでいたのには驚いた。 結構ヤバイ親父かも・・・・、やっぱ不審者だ。
[舞太郎](2004.08.10)