弱者を守る規則や法律はどんどん整備されているが、 そういった恩恵にあずかれない、本当の意味での弱者はあんがい多い。 半年ほど前に元踊り子さんから相談を受けた。 ある事情で逃亡生活している。 そして住民票などを現住所に移動できない。動かせば足がつく。 生活している地域の役所に行くと、 「住民票のあるところで相談してください」と言われる。 住民票のある地域の役所に行くと、 「今住んでいるところで相談してください」と言われる。 お金も騙し取られ、幼子を抱えて途方にくれてもどこも助けてくれない。 何の公的援助も受けられないのだ。警察もまったく取り合ってくれない。 なにか事件にならない限り、保護もしてくれない。 住込みの働き口を探したが結局うまくいかなく、 最近やっと寮完備の風俗店に落ち着いた。 「風俗はどうしても嫌だ」と言っていたが、 苦しみながらも女を売って頑張っている。 現在、それなりの収入は得ているが、 託児所代、寮費、性病検査代、名刺印刷代等など、 常識では考えられない金額がそこから引かれる。 職業の選択も支出も彼女の意志ではどうにもできない状態なのだ。 それでもコツコツとお金を貯め、少し余裕が出てきたとのこと。 先日連絡してきて、買いたいものがあると言っていた。パソコンだそうだ。 「舞姫辞典を見たい」と言ってくれた。そして、 「ネットカフェで読んだ。私のことネタに使ってくれて嬉しかった」とも言った。 風俗にしろストリップにしろ、自らの希望でやっている人が多くなった。 でも、彼女のように仕方なく、本当に仕方なく、頑張っている人もまだまだいる。 私になにができるわけでもないが、そういうことを知って考えることは必要だと思う。
[舞太郎](2004.08.11)