敗北の日に

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  2004年8月31日は、私にとっては反省の日である。

多くの方々の期待や夢を実現できなかった日だ。

もう一度だけでもステージに立っていただきたい方は今もたくさんいる。

そんな方の中で復帰を夢見て現在病と闘っている踊り子さんについて書く。

引退されたわけではないが、

今日のこの日、引退舞姫興行敗北の日に彼女のことを書いておきたい。


 6中、旅先の劇場でその踊り子さんは倒れた。

病名は脳腫瘍。生死をさまよい6結に大手術を受けた。

腫瘍摘出手術は成功し、現在差し迫った危険はないが、

再発抑止を目的としたつらい放射線治療を受け続けている。

副作用からくる嘔吐感も大変だろうが、何より脱毛がつらいことだと思う。

ベッドや枕、脱いだ帽子に付着するたくさんの髪の毛、

ほんとうに心中をお察しする。

「舞ちゃんと同じ禿げ頭じゃぁ、もうステージに立てない」という彼女に、

「治療が終わればまたすぐに生えてくるし、

 生えなかったらいっそのこと全部剃ってつるつるにすればいい。

 もちろんかつらだってあるし、どうにでもなるよ」などと、

慰めにならない言葉を発するのがやっとである。

後遺症もまだ残っている。視野が極端に狭いのだ。

そんなご自分の病状を彼女は正面から直視し、

「○年後の生存率は○%」などと口に出す。私はただただ自分の無力さを感じる。

副作用の苦しみの中で、

ダンベルでのトレーニングやストレッチを欠かさない努力家の彼女、

再びスポットライトを浴びる日が必ずくると私は信じて疑わない。

 完治されて完全復帰していただきたくのがもちろんベストであるが、

ハードな踊り子生活に戻れるのは、まだまだ先の話であろう。

だから1日だけでもいい、1回だけでもいい、

すぐにでもステージに立たせてあげたいという思いが頭から離れない。


 いろんな事情でステージへの夢を持ち続ける方々がいる。

10日単位の今のシステムではその夢を実現するのが難しい方々だ。

私にもっともっと力があればその夢を実現できたはずだ。

引退されたときの経緯、現在の状況、あるいは怪我や病気、

ステージには戻れない理由はさまざまだ。

足に怪我をされて踊れなくなってしまった方、

出産時に妊娠線が酷く残ってしまった方、

体型が崩れてしまった方、いいんじゃないのそんなの。

ほんとにそんなのいいんだよ。

ストリップの世界はそういうところにウエイトを置く人たちだけじゃない。

個々の事情に心を動かしていただける業界関係者の皆様、

踊り子の皆様、そしてお客の皆様は、決して少なくないはず。


 真の感動というもの、真の喜びというものは、

どこからくるものなのか、多くの方々に考えていただきたい。

いつかじゃダメなんだ、時間がないんだ。



[舞太郎](2004.08.31)


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