別人

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本屋で立ち読みしていた。

するとポンッと肩を叩かれた。

振り返ると、若くて奇麗な女性が微笑んで立っていた。

「えっ??」

頭の中がパニックになった。知らない人である。


しかし、彼女は微笑みながらこちらを見ている。

「わっ、たっ、しっー!!   Hよ」

 僕はますますパニックになった。

この子が言った名前は、

僕のお気に入りの踊り子さんだったのだ。


「えっえっー!! ・・・  おっおっー!!  Hちゃん?」

そう言われてよくよく見直すと、

確かにHちゃんなのだ。


しっしかし、顔が違う。

「いつもと違うよ、顔が・・・」


彼女とは劇場以外でも何度か会っている。

そのときともまったく雰囲気が違うのだ。


「あたり前でしょ、いつもはお仕事用の化粧なの。

  たとえステージ以外だって、あれはお仕事用。

 今はまったくのプライベート。

  正確に言えば今はHじゃなくってYって名前なの」
  

なんだかややこしい。うーん。

確かなのは、

今、目の前にいる子はYっていう知らない子なんだ。
  

[舞太郎](1997.11.18)


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